恋愛

一緒になると約束したのに、叶わなかった初めての恋

20代の頃の話です。僕は子供の頃から引っ込み思案で、学校の勉強でも、自分の意見を言う事の出来ない子でした。
女子とは、話もできない暗い男でした。だから女の子とは付き合った事もなかったのです。

高校を卒業し、建設会社に就職し、毎日工事現場で建設機械に乗り土砂の掘削作業などに従事していました。会社には、僕と同い年位の事務員のお姉さんたちが10人ほど働いていました。
毎年恒例の会社行事である納涼会が行われました。肉や魚介類のバーべキューに、キンキンに冷えた生ビール。僕はとにかくお酒が大好きで浴びるように飲みました。

納涼会がお開きになり、2次会は近所のスナックへ、1次会のメンバーがほとんど流れて行きました。僕も、もちろん行って、ふだん話もしたことのない事務のお姉さんたちと、酔った勢いで話をしました。
その事務員さんのなかに、「雅代ちゃん」という子がいました。彼女はドライブが大好きでしょっちゅう一人でドライブに出かけるようです。
「なんで彼氏といかないの?」と投げかけると雅代ちゃんは「だって彼氏軟化いないもん」と口をとがらせて言ってきました。
僕はすかさず、「じゃあ僕とドライブ行っちゃったりする」と半分以上冗談のつもりで言ったのですが、彼女は「いいよ!」冗談なのか本気なのか分からないリアクションだったのです。

納涼会が終わった翌週の月曜日、現場作業が終わり、事務所で日報を書いていた時、雅代ちゃんが寄ってきて「ねえ、いつドライブにつれて行ってくれるの?」と聞いてきました。
僕もドライブの話は忘れたわけではなかったのですが、彼女が覚えていてくれたことが嬉しかったです。
僕は「俺暇だからいつでも良いよ」と言うと、彼女は「じゃあ今度の土曜日、行先は海」と言って、雅代ちゃんは電話番号を教えてくれました。

土曜日が来ました、僕はTシャツと短パンで彼女を迎えに行きました。彼女はかわいいワンピース姿で、ふだん会社のユニフォーム姿しか見たことが無かったので、新鮮ですぐに好きになってしまいました。
ドライブは長く続く海岸線を走り、地元でにぎわう弁天橋に行き、ソフトクリームを食べたり、いろんな話をしました。
そして最後に僕は「付き合ってくれない」と告白していました。自分でも驚く行動力で、「俺にこんな勇気があったんだ」と、こんな自分に自分が信じられませんでした。
彼女はちょっと考えて、「私で良ければよろしくね」と言っくれて付き合う事になりました。それ以来毎週土曜日はドライブやショッピングに行き、楽しい日々が続きました。
そうして月日は流れ、冬になりました。雅代ちゃんの態度がなぜかよそよそしくなって来て、彼女は「実は私、東京に行ってやりやいことがあるの。会社を辞めて2月になったら東京に行く。ごめんね、だから別れて」というではありませんか!僕は狐につままれたようで信じられない言葉に一言も声が出ませんでした。

やがて彼女は退社し、東京へと旅立って行きました。僕はまったく納得できず、付き合っていた時の事を思い出していました。
結婚したら子供は3人は欲しいよねとか、家は新築の一軒家に住もうとか約束して、明るい未来を語り合っていたのに、今までの彼女と過ごした日々が夢のようでした。
そうやって、昔の思い出を蒸し返して生きていた時代を思い出します。

25歳 付き合ったことない 男